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上階からの水漏れトラブル。管理歴15年の私が教える「落ち着いて対処する方法」

    夜、自宅でくつろいでいたら、天井からポタ…ポタ…。
    「え、水漏れ?まさか…」
    そんな経験、突然やってきます。

    賃貸住宅に住んでいると、上階からの漏水トラブルは誰にでも起こり得る問題です。
    しかも、タイミングは最悪。夜中、休日、管理会社が不在のとき——。

    不安や怒りがこみ上げるのは当然ですが、最も大切なのは“冷静に動くこと”です。
    感情的になってしまうと、状況がこじれたり、損をすることにもなりかねません。

    この記事では、15年にわたり不動産賃貸管理を行ってきた私が、
    「入居者として水漏れに遭遇したときにやるべきこと」を、
    現場目線と裏側の事情もふまえて、わかりやすく解説していきます。

    漏水が発生したときの対応フロー(7ステップ)
    • 水漏れの発見
    • 自分の部屋の管理会社へ連絡
    • 応急処置と現地確認
    • 上階や共用部の管理会社へ連絡・調査依頼
    • 原因の特定と責任の判断
    • 保険の確認と申請手続き
    • 復旧工事・家財補償・一時退去(ホテル代など)

    まずは“冷静に”状況を整理して管理会社へ連絡

    水漏れに気づいたとき、まずやってしまいがちなのが「パニックになって、思わず感情的な電話をかけてしまう」こと。
    でも、水漏れ対応で本当に重要なのは、感情よりも“正確な情報”です。

    管理会社に連絡する際には、以下のような情報をできるだけ落ち着いて、わかりやすく伝えることが大切です。

    ・いつから漏れているか
    ・どこから水が出ているか
    ・どのくらいの量が出ているか
    ・どんな被害が出ているか
    ・被害物のリスト(できれば写真と購入金額も)

    とりあえず連絡しようと慌てると、大事な情報が抜け落ちてしまうことも。
    一度、メモアプリや紙に書き出してから電話するのがおすすめです。

    被害部屋の管理会社 ≠ 原因の管理会社?管理構造を冷静に把握しよう

    一棟タイプのアパートなら、被害部屋も加害部屋も同じ管理会社ということが多いです。
    でも、分譲マンションだとそうはいきません。

    ・自分の賃貸借契約に書かれている管理会社は“被害部屋”のみを管轄
    ・加害部屋(上階)は別のオーナー、別の管理会社であることが多い
    ・建物全体の共用部は、また別に管理組合の管理会社がある場合も

    上階が原因かもしれないと感じたら、「そちらは別の管理会社の可能性もある」と冷静に把握しましょう。

    漏水の原因によって補償範囲も対応スピードも変わる

    よくある原因と、誰が責任を負うかを整理します。

    ・雨漏り・外壁から → 管理組合
    ・給湯管・給水管・排水管の劣化 → 上階のオーナー
    ・トイレやキッチンのオーバーフロー → 上階の入居者
    ・洗濯排水ホース外れ → 上階の入居者

    とくに多いのが給湯管の劣化です。
    保険に加入していても、管の交換工事は保険対象外。
    費用が高額になるため、上階オーナーの動きが遅くなりやすい傾向があります。

    保険で補償されるもの・されないものの現実

    【補償されることが多いもの】

    ・室内の原状回復工事
    ・家具・家電の被害(条件付き。写真+購入金額)
    ・一時的な宿泊費用(居住不能と認められた場合)

    【補償されないもの】

    ・引っ越し費用、契約金の返金
    ・証明できない家財(レシート・型番不明など)
    ・慰謝料、ストレスなどの精神的損害

    補償は時価評価が基本です。
    たとえば3年前に10万円で買ったテレビも、3万円程度になることがあります。

    交渉術と生活再建|泣き寝入りしないために知っておくべきこと

    修繕が始まらない、進捗が見えない…。そんなときは:

    ・こまめに管理会社へ進捗確認
    ・「賃料減額の相談ができるか」と聞いてみる

    民法第611条では「使用収益できない部分の賃料は減額請求できる」と定められています。

    また、自分の火災保険を使って補償を受けることも可能です。
    保険会社が後で加害者側へ請求する「求償」をしてくれるため、損をすることはありません。
    等級制度がないので、翌年の保険料が上がることもありません。

    まとめ:焦らず、冷静に。知っていれば必ず対応できる

    水漏れは予期せぬトラブルですが、知識と準備があれば、必ず落ち着いて対応できます。
    この記事が「知らなかったから損をした」を防ぐきっかけになれば幸いです。

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      とむら
      このブログを運営している『トムすけ』と申します。 普段は不動産会社に勤務している傍ら、 働きながら資格試験合格を目指す内容を中心に記事を書いている一児の父親です。 普通のサラリーマンで終わりたくない 一目置かれる存在でありたい 社畜から独立開業や副業で稼ぎたい そのような方々に発信していきたいと思いますので、 よかったら末永くお付き合いください。 私がこれまで取得した資格を紹介します。 宅地建物取引士(2007年) 管理業務主任者(2013年) 個人情報保護士(2016年) マンション管理士(2017年) 不動産コンサルティングマスター(2018年) 2級ファイナンシャル技能士(2018年) 貸金業務取扱主任者(2019年) 1級ファイナンシャル技能士(2019年) 社会保険労務士(2022年) 特に社労士試験は苦労しました。 勉強方法だけを考えるのではなく、健康、睡眠、食生活、本業とのワークライフバランス、家族の理解等、生活全般の見直しをしました。 そんなノウハウも提供していきます。